パーマネント・バケーション

パーマネント・バケーション
 ジャームッシュのデビュー作。
 何回か観ているけど、やっぱり良いな。とても淡々としてる。不安とか虚無感とか孤独感が画面から、そして音楽から溢れ出てる。ガムラン風の音楽はすべてのものの区別をなくしてしまうような、全てを液体にして混ぜてしまうようなそんな気持ち悪さがあると思った。ジョン・ルーリーのサックスによる「虹の彼方に」のフレーズの繰り返しは美しくもあり、まとわりつくような不快感もあり。あんなに希望に満ちたような曲がこんな風に聴こえるのは面白い。
 好きなシーンはドップラー効果のシーン。シュール過ぎる。話を聞いてるときのクリス・パーカーの顔。映画の終わり方も好き。遠ざかって行くマンハッタン島。永遠の休暇。
 言葉で説明しようのないものを視覚と聴覚で感じ取るような映画だと思う。無為。