カミュ/幸福な死

幸福な死
 「異邦人」ができるキッカケになったような作品。カミュの死後に世に出たもの。無論、「異邦人」ほどの衝撃は無かったわけだけど。
 何か読みにくかったな〜。イマイチつながりがわからなかったり。それでも時々とても美しい文があったりして。
 幸福に死ぬためには幸福に生きることが必要なわけで。じゃあ幸福な生って何だよっていう。「お金がなくてはだれも幸福になることはできない。それですべてだ。」という部分がある。幸福になるためにお金は無くてはならないか?コレは切実な問題。お金は幸福を生み出さないけど、幸福のためにある程度のお金が必要だと思うな。少なくとも「お金なんか関係ない!」って事はないな。
 「幸福になるには時間が必要だ。たくさんの時間がね。幸福もまた長い忍耐なのだよ。そしてほとんどすべての場合、ぼくらは自分たちの人生をお金を稼ぐ事に費やしてしまうんだ。本当なら、お金によって時間を買わなければならないときにね。」
 この文はわかるようなわからないような。とりあえず何かいい、この部分。真理を語ってるような気がして。「幸福もまた長い忍耐」という言葉は好きだな〜。
 静寂へと導いてくれる文体はやっぱり凄い。というわけで他の作品も読んでみよう。