ゆれる

 とにかく香川照之が凄い。オダギリジョーももちろん良いのだけど、香川照之がホント凄い。面会室でオダギリジョーに向かって思いをぶちまけるシーンとか凄かったな〜。凄いとしか言えない。
 スッキリする映画では全然無くて、見てちょっと時間が経った後に、何かジワーっと来る感じ。取り上げてるテーマが重いし、ラストが見てる側に委ねられているからという部分もあると思うのだけれど。こーゆーいい意味でスッキリしない映画って好き。オダギリジョーは写真家の設定で暗室のシーンとかよくあって、現像液がゆれてるのを映した映像とかが挿まれていたりして、何か良いなと思った。「ゆれる」を意識させる画がところどころあった。あと事務所(?)にマイルスのOn the cornerが飾ってあった。
 誰かのことを「凄いな〜、良いな〜」と思い、「それに比べて何だオレ・・・」って状況は、自分にはよくある。ほとんどそれだ。(笑)周りの人がめちゃくちゃ輝いて見える。それはそれは輝いてる。これで良い。自分はそれ見て、テキトーに自分なりにやってけば良い。無論そうするしかない。どんなに張り切ったって自分は自分の周りの輝いてるの人、そのものになることは出来ないのだから。
 「お前の人生は素晴らしいよ。自分にしか出来ない仕事して、いろんな人に会って、いい金稼いで。俺見ろよ.仕事は単調、女にはモテない、家に帰れば炊事洗濯に親父の講釈、で、そのうえ人殺しちゃったって、何だよそれ」
 香川照之がこれ言ってるシーンが強烈。