Lo Borges/Nuvem Cigana

Lo Borges
 1982年のLo Borgesの3枚目。つまり昭和57年の作品。
 音楽に関しては「80年代」ってだけでちょっと敬遠していたところがあったけど、ブラジル系を聴き始めてからそれがなくなった。80年代でも良いものは良いんだな。Filoの80年代の作品もかなり良いし。80年代ってのはピンとこない時代だ。自分が生まれたのは80年代なわけだけど、80年代についてイマイチよくわからない。イメージみたいものがパッと浮かんでこない。別に90年代についても良く知らないけど、何かしらイメージみたいなものはある気がする。
 まぁそれは良いとして、コレはなかなかどうして素晴らしい作品。1曲目からミナスらしい不思議な音で。クセになるというのはある種の違和感を好きになる感じだと思うんだけど、僕がミナス系を最初に聴いたときもかなりの違和感を覚えて。ミルトン・ナシメントのミルトンだったと思うけど。ジャケが怖いやつ。最初はその違和感は違和感のままだったんだけど、その違和感がだんだんと心地よくなってしまったときに、「もう抜けられない」と思った。違和感が心地よくなっていくまでの過程で、違和感と自分の快感を感じる部分をつないでくれる何かがあると思うんだけど、それが自分の場合はLoBorgesだった気がするな。LoBorgesの2枚目やクルビのLoBorgesの曲が自分に引っかかって、留まった。
 コレはミナス系を好きになってから聴いた作品だけど、やっぱり良いんだよな〜。引っかかりポイントが一杯あって。基本的に切ないところも好きな理由のひとつ。あとLoBorgesの作品はインストがスゲ〜良いの。なんだかわからないけど妙にしっくりくる部分がある。
 ということで聴いてみて。人でも音楽でも違和感を越えて好きになった場合は、長く付き合っていくことになると思うな〜。