カレル・チャペック/チャペックの犬と猫のお話

チャペックの犬と猫のお話
 チェコを代表する作家、チャペック兄弟。初めて知った。挿絵がとてもカワイイ。この本の魅力のひとつは絵だ。
 どちらかといえば犬も猫も苦手だ。何故だろう。単純に飼った経験がないからかもしれないし、心のどこかで恐がっているのかも知れない。別に犬に襲われた経験があるわけでもない。犬に襲われているのかもしれないと思って、暗闇の中を必死で走った経験はある。とにかく何故だかわからないけど、犬も猫も苦手な気がする。そんな自分でもとても楽しく読むことが出来る、この本。チャペックはミンダであったりイリスだったりダーシェンカだったり、とにかく子犬子猫たちにイライラさせられたり、邪魔されたり、怒ったりする。それでも最後は「可愛いな〜、お前たちは。よしよし。」ってことになるのだ。この「愛さずにはいられない感」が伝わってくるのが、とても良いな〜。
 これはエッセイなんだけど、ところどころ笑える。クスッとなる。この感じの文がとても好きだ。三谷幸喜の書く文と似てる気がちょっとした。顔はとても真面目そうで、身なりもキチッとしていて、話し方もしっかりしてる。真面目な事をに話しているのに、なんか面白い。こんな感じ、好きだ。
 書かれたのが1930年代頃だと思うから、それを頭に入れて読まなくてはいけないと思う。現代の考えでは通用しない部分がいくつかあると思うから。
 とりあえず絵がとても可愛い。あんな絵が描けたらどんなに楽しいだろうか。