黒いオルフェ

黒いオルフェ(ポルトガル語版)
 なかなか凄い映画だ。いろいろ混ざり合って、妙な雰囲気。トム・ジョビンのボサノバとカーニバルの熱気。学芸会を見ているような感覚になる妙にわかりやすい演技。あまりにもあっけない死。あまりにも安っぽい骸骨柄の全身タイツを着たあまりにも謎な男。
 ギリシア神話オルフェウスの物語をブラジルのカーニバルの中に再現した作品。カーニバルの熱狂、リズム、グルーヴを何となく感じることが出来る。
 観ているうちに、その安っぽさやあっけなさに引き込まれた。生の熱さも死の冷たさも同列にあるような描写の仕方が魅力的だった。ダイナミックなごちゃ混ぜ感。
 もう一回観てもよくわからないと思うけど、絶対に惹きこまれてしまうと思う。