九州は七県

 「紅葉、見に行コウヨウ」と誘われて、誘った本人が誘った事を忘れていたという残念な経験をしたことがある僕ですが、今回はしっかり紅葉を見に行きました。友達と3人で。去年は11月20日に行って若干早かった感があったので、今回は10日遅らせて30日。
 ぱどに載ってた写真にやられて、県立相模原公園へ。原当麻という駅から歩いて15分くらいのところにある大きな公園。原当麻駅には「ふれあい文庫」(不正確)なるものがあって、「本を勝手に持っていっていいよ(でもできるだけ返してね)」的なことが書いてあったのでブコウスキーを頂いてきた。いつか返しに行きます。きっと。
 原当麻駅周辺は寂しかった。天気のせいもあっただろうけど、とにかく寂しかった。「ホテル・ルワンダ」を観に行ったほうが良かったんじゃないかと思わせるのに充分なくらい景色は灰色だった。マックも花屋もツタヤも全部灰色。公園に行くために途中花屋のおばちゃんに道を尋ねた。僕が聞いたのにおばちゃんは友達の方をずっと見て道を案内してくれた。初対面で嫌われたのか、俺は。おばちゃんで良かったよ・・・。
 相模原公園はとにかくでっかくて。そして平日だったからかとにかく人がいなくて。もう芝生広場独占状態。芝生の広場に人がいない感じで『欲望』のワンシーンを思い出した。芝生広場の隅っこの方にジブリっぽい展望台があった。一番上に上がってみると、目の前を木が覆う。メチャクチャ近くで葉っぱが見れる絶好スポット。とりあえず公園を回ってみたけど、全体的にわけがわからない。「緑の街」とか「見本庭園」とか。「緑の街」なんて最高だった。ドアとか窓だけがいっぱい建っている。写真でも撮ってくればよかったけど、本当素晴らしいよ、あそこは。「緑の街」じゃなくて「爆撃を受けた直後の街」だ。「見本庭園」の庭園は完全に悪い見本だし。
 「緑の街」にちょっとした衝撃を受けながら歩いていると、噴水が見えてきた。そしてぱどに載っていた写真と同じ景色が目の前に現れたことに気づく。写真のメタセコイアは真っ赤だったので、中途半端な色の葉をつけたでっかい木がそれだとは気づかなかった。なんとなく赤いという印象。ぼんやり歩いていると、3人同時に「アッ」と声を出した。空が青くなっていた。3人が同時に気づいた。何かステキじゃん。雲が途切れ太陽が顔を覗かすと、メタセコイアもさっきより大分赤くなったように見えた。気分も明るくなる。何だかとても嬉しかった。「こもれびの径」を歩いていた時、「今日来て良かった」と感じた。
 紅葉気分を味わった後はアスレチックに夢中になったりバトミントンに夢中になったり。完全に子供になってた。友達が出来て、自分が出来ないとやたら悔しい。僕は地味に負けず嫌いだ。
 ご飯を食べて帰った。何となく体が痛かった。紅葉を見に行って、体が痛くなることもある。