Cinema Soloriens and the Cosmo-Drama

Bam-be2006-06-15

 渋谷UPLINKにて。Sun Ra Arkestraのマーシャル・アレンが来日。映像作家ジェームズ・ハラーの作品と即興演奏によるLIVE。開演前、会場に入るとすでに3人(ジェームズ・ハラー+マーシャル・アレン+R.E.マホニー)が即興で楽しんでいて、ゆるーい感じ。
 とても貴重な体験でした。音楽と映像の融合って書くとベタベタな感じですが、素晴らしかったです。3人が映像に合わせて様々な楽器を演奏していく。何だかよくわからない楽器も多数登場して面白かったです。結構アジア的な(東洋的な)楽器も使ってました。そのときの感覚をそのまま楽器を通して表現してる感じがかっこ良かったです。自分の感覚を相手にどんどん重ねていくこと。聴いている感覚が映像とマッチしていく感じはとても面白かったな。最後とか本当に凄まじかったです。怒りとやりきれなさとある種の警告が混ざり合ったような、そんなものを僕は感じました。
 LIVEのあとは「サン・ラ ジョイフル・ノイズ」の上映会。これ見たかったのでラッキーでした。1980年あたりの映像。みんながみんなSunRaを慕っていた。何だかわからないけど、「とにかく凄い」。Sun Ra Arkestraはそんな感じ。ライブ映像やインタビューなどで構成されていて、とても魅力的な作品。「ヒストリーはヒズ・ストーリーなんだ」みたいなSunRaの発言にはしびれる。それにしても画面の中でサックスを吹きまくっている人がすぐそばにいて、一緒にその映像を見ているというのは何だか不思議な感じ。そして見た目があんまし変わってないんだな、今も昔も。
 そのあとは湯浅学さんによる3人へのインタビュー。「サン・ラー伝」を読んでいたので、湯浅さんがどんな人かとても楽しみにしていたんだけど、とてもとても普通だったね。そしてとてもゆるかった。近所のおじさんにいそうな感じ。このプロジェクトの成り立ちやSunRaのお腹がまだ出ていなかった頃の話など面白かったです。ある楽器について質問した人がいて、マーシャル・アレンがソロで演奏して見せてくれました。その楽器はイタリア製のおもちゃみたいな楽器。上の写真のヤツです。原理はトランペットに似ている(吹く、ヴァルブを操作する)みたいだけど、見た目は全然違う。とにかく面白い音がでるんです、これ。丸っこい部分をクルクル動かすと音が変化します。ヒューンって感じに。どんな感じだかこれでは伝わらないことはわかってます。とりあえず惚れました、この楽器に。演奏しているマーシャル・アレンはとてもカッコ良かったな〜。「楽器があったら演奏せずにはいられない」という感じがひしひしと伝わってきた。幸せそうだったもんな〜。演奏し終わったあとの「まぁこんなもんだよ」って感じも最高。あんなにクールな82歳が他にいるでしょうか。
 最後は一緒に写真も撮ってくれました。終始ニコニコしていて素敵でした、本当に。見に行って良かったです〜。