地獄の3日間だと思っていた・・・

 合宿。中途半端に遠いところまで出向いて、そこでわざわざ勉強する。
 修善寺に着いて、とにかく気が重かった。「行かないです。」って言っとけば良かったと何回も思った・・・。タオルを持っていくのを忘れた事が、沈んだ気分にさらに追い討ちをかける。
 沈んだまま会話データをやたら細かく観察して、スパゲティの上にチキンソテーを盛り付けてあるようなインチキな夕食を食べて、ちょっとだけ西欧風な温泉に入り、コテージに戻る。昨年みたいな妙なつまらない飲み会だけは勘弁してくれと思っていたが、そもそも飲み会がなかった。各自の部屋で自由にという感じで。男子は教授と同室。ビール好きの先生。僕らも飲む。何となく映画の話になる。やたら映画に詳しい教授。何でも知ってる。先生が饒舌になっていく。のってきた先生は映画のシーンのモノマネをし始めた。そのモノマネが気持ち悪くて面白い。『椿三十郎』の加山雄三のモノマネとか。メチャクチャ笑った。時刻は4時30分。教授は音楽にも詳しい。誰かが「オススメは?」と聴いたら、聴いた人が困っちゃう位、何枚もオススメの盤を紹介。ジャズが聴きたくなってきた。ecrnアワードで2006年はもっとジャズを聴きたいなんて書いたのに、ミルトンに出会ってしまった事によりブラジルの風がジャズをどっかに追いやってしまった感じになってたので、これを機にジャズを意識して聴いてみたい。この他にも学生運動の話や、プロテスタントの話など興味深い話をいっぱいした。とにかく引き出しをいっぱい持ってる人だ。
 こんな感じで二晩過ぎていった。合宿でまさか明るくなってきたころに寝るとは思わなかった。普通に楽しんでる自分に寝る頃気づいた。朝起きると、先生はポルノグラフィティを歌っている。もうわけがわからない。その頭の中はどうなっているんだ。
 今のゼミを選んだ理由は単純に教授に興味があったからだ。初めて授業を受けたとき、直感で「この人、面白そうだな」と思った。今回、その自分の直感が間違っていなかったのを確信できてうれしい。予想以上に面白い人だ。「勝てない」と思える人に接することができるのは幸せだと思う。先生の授業がみんなのおしゃべりで何となくうるさくなってしまうのは、先生が「やっほ〜」とか言ってるからかもしれない。
 とりあえず地獄の3日間ではなかった。