観察

 最後尾の電車に乗って、車掌さんを見てたら、カーテンみたいのを下ろされた。車掌さん、見つめてごめんなさい。
 何を見ていたかというと、車内アナウンスをする姿である。あのいつもやってる感じ、お決まりのパターンがある感じ、型がある感じがとても良いのです。寄りかかりながら、右手で受話器を取って、反転させて左手に持ち替え、「不審物を見かけたら・・・」っていうお決まりの台詞を言いながら、時々受話器のマイクの部分を制服の右腕のところで拭いて、一通り言い終わったら、受話器を反転させて左手から右手に持ち替え、優しく受話器を置く。それぞれの車掌さんに、それぞれの型があって面白い。
 生活の中に「これだけは必ずやる」っていうのが欲しい。パターン化された生活の部分。決めたことを決めた時間に欠かさずやるという生活を続けることは結構大変だと思う。毎日7時に起きて、顔洗って、トロピカーナ飲んで、新聞取り入って、パンかじって、花に水やってみたいな。トロピカーナなかったりするからね、前日に飲み干しちゃって。