ドイツ写真の現在―かわりゆく現実と向かいあうために

 東京国立近代美術館にて。結構混んでた。前にも書いたような気がするけど、ここのエレベーターがカッコ良い。
 ドイツの10人の写真家の作品を展示。デジタル加工を施した写真も多数あり。複数のイメージを組み合わせて作った何の変哲も無い風景写真があったが、こんなの好き。デジタル技術でデジタル技術を皮肉ってる。用意した衣装を子供に着せて撮影して、作成しておいた背景とデジタル合成させた写真はなんだかずれてた。美しいんだけど、とても冷たくて、どことなく不気味。
 全体的に美しいのだけれど、どこか悲しくて、虚無感が漂うような写真が多かったように思う。東ドイツの影が残ってるからか?風景にも、写真家の中にも。ドイツじゃなくて香港の証券取引所を写した写真もなんだかとても虚しかった。すべての人間がキッチリ同じ方向を向いて座り、パソコンをいじってる。世界はこうやって動いてるらしい。
 写真展を見終えて、所蔵作品展へ。この前テレビで見た李禹煥の「点より」を生で見ることが出来てよかった。横山大観<生々流転>も丁度見ることが出来た。文字通り大作。岸田劉生の特集もやっていた。小さい頃テレビでたまたま見た「麗子像」がとにかく怖かった、ということを急に思い出した。
 なんだかいろいろ見ることができてとても満足。雪も降ってたし。